傷と汚れと想い出と。

東京のお客さまよりダイニングテーブルのリメイク・メンテナンスのご依頼をいただきました。

ライフステージの変化に伴って、テーブルのサイズを小さくしたいというお客さまは多く、そのようなご依頼はよくいただきます。

もちろん、メンテナンスすることで新品同様に蘇るわけですから、サイズも変わって気分一新、改めてテーブルに愛着を持って使っていただければと思っております。

そんなお客さまのテーブルの脚の先の先の先っぽに、子供の字で「お願いします」。

子供の落書きはよくあるもので、楽しい子供らしく可愛いものが多いのですが、何やら意味深な「お願いします」。どんな体勢で書いて、何をお願いしていたのだろうと、想像をふくらませてしまいます。

そして、こちらには「だいすき♡」。

誰にあてたものかわかりませんが、照れますね。「お父さん、お母さん、だいすき♡」でしょうね、きっと。きっとそうです。そうに決まっています。

かわいいハートマークも。

このような落書きには楽しい家族の時間がギュギュッと詰まっています。

赤の他人の僕がこれらを見ただけで、そんな家族のあったかい年月を感じるのですから、お客さまにとっては宝物であろうこの落書きをメンテナンスで消してもいいのか?

そこで、お客さまにメールで確認させていただきました。

すると、お客さまからはこんな返事が。

「写真におさめてありますので、落として頂いて大丈夫です。将来子供にプレゼントする予定です。」

何とも素敵なお返事に感激しました。やはり宝物でした。

親にとっても、子供にとっても、一緒に過ごした時間を一瞬で蘇らせてくれる素敵なプレゼントですね。

テーブルが家族とともに過ごしてきた時間は、傷や汚れだけでなく想い出もたくさん積もり積もっているのです。

一見、傷や汚れが目立って古ぼけた家具でも、ひとつひとつの傷に想い出やエピソードが詰まっていたりします。落書きはなくても、想い出は詰まっています。

メンテナンスできれいすることが僕たちの仕事ですが、お客さまの想い出は残したいものです。今回、落書きは消しましたが、想い出は残せたのではないかと思っています。

お客さまの気持ちに寄り添うことも僕たちの大きな仕事です。

 

2020.6

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