漢字名

 

こんにちは、胡です。

 

今日はかなりマニアックな話をさせていただきたいと思います。

たまたま日本語と中国語のバイリンガルで樹種名に詳しい方なら恐らくすごく興味を持って頂けるトピックかと思います(そんな方は大勢いないのは存じ上げてはおりますが…)。「この情報をぜひ共有したい!そしてこのブログを見ている方に興味を持って頂けたら嬉しい!」という思いで独り言を呟こうと思います。

 

世の中に利用価値のある木材が沢山あります。そしてアメリカなら英語、中国なら中国語、日本なら日本語などなど、それぞれの言葉の名前がついています。

漢字表記も使われている日本語には、樹木の漢字名は言うこともなく存在しています。

 

中国人は日本語の漢字名を見ればどんな木かすぐわかるでしょう?

と、思いたくもなりますよね?

 

しかし、調べたら「こんなにも違うのか!?」と嘆く場合がほとんどでした。

 

いくつか身近にある木で例をあげさせていただきます。

 

トチ(栃、橡 学名:Aesculus turbinata ムクロジ科)

家具材としてよく使われるトチですが、漢字表記は栃と橡の2つがあります。

なんと、中国ではどちらもナラ(楢、ジャパニーズオーク、学名:Quercus ブナ科)のことを言います。

 

 

カツラ(桂 学名: Cercidiphyllum japonicum カツラ

基盤、将棋盤の材として有名なカツラですが、中国では桂という漢字は肉桂樹(シナモンが採れる木)か木犀科の木(キンモクセイなど)を指します。

香料や料理に使われるという点では一緒ですね(カツラの葉から抹香をつくるそうです)。

 

 

ツバキ(椿 学名Camellia japonica  ツバキ科)

中国で椿はセンダン科のチャンチン(香椿 シャンチュン)、もしくはニガキ科のニワウルシ(臭椿 チョウチュン)を指します。椿の花はあまり香りがないという印象ですが、それに対して、中国の椿たちは強烈な匂いを放ちます。

 

 

以上です。いかがでしたか?

トチとナラのようななんとなく似ている物同士ならまだわかりますが、カツラとキンモクセイだと違い過ぎていてわけがわからないですね。

 

中国と日本どっちでも通じるものもあります。たとえば桜、桐、楓、欅などが挙げられます。

それでも総数に比べて雀の涙です。

日中の間で家具の販売事業などをされている方は気をつけたほうがいいかもしれませんね。

唯一信用出来るものはラテン語表記の学名である。