初めまして、 胡 と申します。
5月に入社して三ヶ月ほど経ちます。家具のデザイン、企画のほか文章の中国語翻訳や中国籍のお客様とのコミュニケーションも仕事としています。
お察しの通り、僕は中国人なのです。「胡」は希少な日本人の苗字として「えびす」と呼ぶこともあるらしいですが、僕の「胡」は「コ」と発音します。会社では「コウくん」と呼んで頂いています。ちなみにきゅうりもくるみもコショウも頭文字はこれなんです。
おっと、これは失礼。いきなり言葉の話が始まってしまいましたね。ついつい言葉について掘り下げてしまうのは言語を生業とする人たちの性なのかもしれません。こればかしはお許しください。
さて、初ブログで僕は木にまつわる言葉について少々語らせていただきたいので、お付き合い頂けると幸いです。
「無垢材」という言葉は、弊社のウェブサイトをご覧になられている方ならご存知のはずです。
初見ですと「無垢」とはなんなの?と戸惑いを感じませんでしたか?僕は感じました。何せこれは本来仏教用語で汚れのない純真を指す言葉なのです。世の中にそんな木材があるのかと素直に驚いてしまいました。
調べたら「無垢」は「混じりけのない、そのままのもの」という意味がありました。言い換えると無垢材とは「そのままの材」。つまり伐採された木を製材したままの材ということです。
なるほど中国語でいう「実木(shi mu)」や英語の「solid wood」ということかと僕は納得しつつも、やはり「無垢材」という言葉の印象の強さに感心しました。
意味は一緒なのに言葉のニュアンスがずんぶんとちがうのは言語の一番面白いところだと思います。その国や地域の独自な感性が滲み出ているのです。心の性質を表す言葉ーー「無垢」を「材」にくっつけてできたこの言葉は万物に魂が宿ると古くから信じられてきた日本ならではの感性ではないのでしょうか、と僕は勝手な妄想に浸ってしまいました。
「無垢材」に触れていると心が無垢になっていくのが僕だけですかね?