家具職人の景色 #4

4回目を迎えました家具職人の景色。

 

今後もシリーズとして続けていく意志を固めるためにもタイトルにナンバーを付けました。

特に家具の製造工程を順を追って説明するものではありませんので、#1から順番に読んでも途中から読んでも変わりません。どうぞお好きなときに気の向くままにご覧ください。

今日は部材は違えど、前回の工程の次の工程。縦軸面取盤での成形加工。仕上げ削りです。

前回のバンドソーでの荒削りな状態を、「治具」と呼ばれる加工を補助する道具を使って、全てを同じ形に成形しながらきれいな切削肌にします。

縦軸面取盤は木工機械の中でも取り扱いが危険な部類に入ると思います。

というのも、握りこぶし以上の大きさの刃物が目の前で1分間に10000回転という高速回転をします。その刃物に材料を当てて送っていくわけです。

送る方向を間違えようものなら、材料は目にも止まらぬ速さで吹っ飛び、指まで持っていかれる可能性だってあります。

そんな危険で恐ろしい機械ですが、十分な理解と正しい使い方をすれば当然安全です。当たり前のことですが。

 

しかし、どんな仕事の人にも当てはまると思いますが、もっと怖いのは「慣れ」です。

最初のうちは危険な怖い作業に緊張感を持って集中できていても、同じことを繰り返すうちに人間の身体と脳は順応して、怖さを感じにくくなっていき、集中しなくても同じ動作を繰り返します。この作業において、「うっかり」は指を1本失う恐れがあることを十分肝に銘じなければなりません。取り返しがつかない「うっかり」をしてはならない緊張感と集中力を保つことが何より大切な仕事だったりします。

 

「慣れ」が本来見えたり感じたりしたことを、見えなくしたり感じなくさせます。

これは人間の順応性が優れているので、どうしようもなく、むしろその順応性のおかげでいろんなことができるプラスの側面のほうが多いでしょう。

だからこそ、昔から「初心に返る」とか「初心忘れるべからず」など基本に立ち返ることの大事さが説かれてきたんだなーと実感します。

また、この工程は回る刃物の騒音と共に多くの削り粉が舞います。

機械によって削り粉の形状は様々ですが、これはまさしく荒い感じの削り節。冷奴や厚揚げに乗せたい感じのやつ。

そう思うといい香りがしてきそうな写真に見えます。

あ、でも実際いい木の香りは漂ってます。

 

 

 

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