家具職人の景色 #6

家具職人の景色。

今日は加工の準備段階の話を少し。

写真はスコヤという直角定規を使って、傾斜盤と呼ばれる機械の刃物がテーブルに対して直角かどうかを確認しているところです。

どうして確認する必要があるのかというと、この機械の刃物はハンドルを回して角度をつけることができるのです。テーブルに対して45°くらいまで傾くので、必要に応じて傾け、そしてまた直角に戻します。もちろん、最も使用頻度が高いのは直角のこの写真の状態です。直角が基本です。

実は、この機械のハンドル付近には傾斜角度を表す目盛りが付いています。目盛りで合わせれば定規をあてて確認する必要はないのではないか?

一見その通りなんですが、けっこうアバウトなんです。写真には写ってませんが、針の形状だったり、劣化でわかりづらかったり。などなど。

さらにどれくらいの精度を必要としているケースかにもよりますが、0.5°以下の精度が必要なときは大まかに合わせた刃物で実際に加工して、その加工したものの角度を確認します。

「現物合わせ」とか「現物で確認する」などと言います。数字でどうこうではないのです。

きほんの「き」である直角はまさに精度が必要なところです。最初の写真にあったように刃物に直角定規を当てただけでは確認しきれていないのです。材料を切ってみて、それに直角定規をあてて確認して、初めて「直角」です。

当たり前すぎて、その大切さを見落としがちですが、加工のスタートは、

「平面」に削る。

「直角」に削る。

「平行」に削る。

「直角」に切る。

このスタートで気づかないほどの小さなほころびがあったとしたら、いくつもの工程を経て製品となるころには、大きなひずみとなって現れてしまうこともあります。

 

ついつい手を抜いてしまいがちなことってどんな仕事にも、生活の中にもあると思います。

しかし、抜いていいことと抜いてはいけないことはよく考えれば明確で、白黒はっきりついているはずです。その判断を間違えないように、何が大切かを見失わない目を持っていたいものです。

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